やり手のFPが実践!ファイナンシャルプランナーのホームページ集客方法の秘訣

結婚、家の購入、子育て、老後…人生の重要な局面で、お金についての的確なアドバイスを行うファイナンシャルプランナー。

お金に関する不安が高まる現代において、一定の認知度を持つようになったファイナンシャルプランナーですが、「実際に相談してみよう」と考える方はまだまだ少ないのが現状です。

ファイナンシャルプランナーの資格を取り、まずぶつかるのが「集客」の壁でしょう。たくさんの方の人生を支えたいと意気込むファイナンシャルプランナーの方に向け、この記事では、主にホームページ制作による効果的な集客方法について解説していきます。

FP(ファイナンシャルプランナー)のサービスの特徴を踏まえた集客方法を考える

集客の基本は、「どんなサービスを」「どんな人に」提供するのか、ということを明確にすることです。ここが曖昧なままでは、どれだけ広告を打ったとしても「誰に対する何のメッセージか」が伝わりませんから、効果を望むことはできません。

まずはFPという仕事が「誰のための」「どんなサービスなのか」というところから、あらためて考えてみましょう。

FPが陥りがちな失敗例から学ぶ

FPのホームページによく見られるパターンとして、「ゆたかな人生設計をお手伝い」などフワッとした言葉を並べるだけで具体的にどんなサービスをしているのかわからない、というものがあります。

考えてみればFPは「人生においてお金がかかる場面の相談役」ですから、あらゆる人生のあらゆる場面に、サービスを提供する機会があります。そのため特定のサポート内容を明確に伝えることが難しく、どうしても上のような「イメージ先行」のサービス紹介に陥りがちです。

潜在的な顧客に対し、「サービスを受けることでどうなるのか」というビジョンを与えることはもちろん重要です。しかし、「どのようにその目的が叶えられるか」というプロセスの部分が具体的でなければ、実際にそのサービスを受けようと思う人は少ないでしょう。

サービスの特徴が「罠」になる?

FPのサービスの特徴である「あらゆる場面に」という性質は、ホームページの集客においてマイナスに働くことが多いです。

FPのサービス対象となる問題として、すぐに思いつくだけでも、年金、住宅ローン、税金、保険、資産運用、相続、教育資金など、相当な範囲に及びます。

これらを列挙し、「最適なプランをご提案」などと言っても、実際に悩みを抱えている人にはアピールできません。

大切なのは、実際に悩んでいる人にとって、「自分の悩みをどのようにサポートしてくれるのか」がわかる具体的な説明です。説明に具体性を持たせるためには、まずは「どのような悩みを抱えている人に呼びかけるか」ということを、自分の中で明確にしておく必要があります。

社会の動向を読んだターゲット設定

ターゲットを絞るにあたって、当然自身の得意分野や、サポートしたい人物像などから照らして考えてみることも必要でしょう。しかしそれ以外にも、考慮すべきポイントは数多くあります。

たとえば、サービスの対象エリアの住人層。家族連れの多さや、高齢化の度合い、平均的な生活水準などから、どの層にアピールすれば最も効率的かを考えてみる必要があります。

さらには、「時代の大きな流れ」も読まなくてはなりません。「老後資金として2,000万必要」というニュースの後では、老後の不安や資産運用に対する関心が大きく高まるはずです。

「自分のしたいこと」と「世間の動向から生じるニーズ」を、すり合わせながらターゲットを絞り込んでいきましょう。

集客できるホームページ制作方法

ターゲットを絞り込んだら、そのターゲットに合わせた形でホームページを制作していく必要があります。

せっかく具体的な対象が定まっても、その相手に伝えるための手段が適切でなければ結果は変わりません。ここからは、FPがホームページを作るにあたって注意したいポイントをご紹介します。

キーワード設定は集客の大前提

ホームページによる集客で必ず押さえておきたいのは、「ユーザーが検索する言葉を使ってホームページの文言を構成する」ということです。ターゲットを絞り込んだら、そのターゲットが実際に「どんな言葉で検索をかけるか」ということを考えてみましょう。

「お金 増やし方」「保険 おすすめ」「資産運用 種類」などは、FPのサービス内容に関わり、検索頻度も高い言葉ですが、それだけに競合するサイトも多いです。

さらにこうした語句で検索するユーザー層は幅広く、実際のところ「他人に相談するつもりは全然ない」という人が大多数でしょう。

実際に何らかの悩みを抱えている人をサイトに呼び込むためには、なるべく「ピンポイントの悩み」に焦点を当てたキーワードを考える必要があります。たとえば教育意識の高い子育て世代であれば、「教育費 大学まで 私立」といった言葉で検索をかけるかもしれません。

先に練ったターゲット層の生活を具体的にイメージしながら、キーワードを導き出しましょう。

ユーザーの思考の流れに合わせたサイト構成

サイトの訪問から実際の依頼につなげるためにはまず、ユーザーに「ここに相談すれば自分の悩みが解決する」という印象を与える必要があります。

ぱっと見たときに目につきやすい箇所に、「こんなお悩みありませんか?」といった形で、ターゲット層の典型的な悩みをいくつか表記しておきましょう。

さらに「自分の悩みと関係がある」と思って読み進めていくユーザーの目線から、「次にどんな情報が必要か」ということを考え、サイトを構成していく必要があります。

具体的な悩みが目についたユーザーは、「これをどう解決してくれるのか」ということを考えるはずです。

しかし注意したいのは、不安に駆られているユーザーに対し、いきなり「具体的なサービス内容」を事細かに説明したとしても効果が薄い、ということです。

不安や悩みを持つ人は、まずその問題を解決できる「根拠」を求めます。プランナーが信頼できる人間か、悩みに合わせたサービスを用意してくれているか、実績は確かか…そういった不信感を払拭できる「強み」を、過不足なくアピールしておきましょう。

不安なく問い合わせまで導くために

「ここなら信頼できそうだ」という印象を与えることができても、実際に問い合わせるまでにストレスが生じてしまえば集客にはつながりません。

「エリア的にサービスは受けられるのか」「実際にどういう流れで相談が行われるのか」といった疑問をスムーズに解消できるよう、「ご相談の流れ」や「よくある質問」といったページを用意し、ユーザーが相談のイメージを明確に持てるような案内をする必要があります。

もちろん、サービスの料金について明示しておくことも重要です。代表的な相談プランの説明とあわせて、料金体系をわかりやすく提示しましょう。

ホームページを差別化するポイント

ここまでは、集客効果の高いホームページ制作の基本を紹介してきました。このような「基礎」の部分は、すでに実践しているFPも多いため、やはりホームページを差別化するためにはこれ以上の工夫が必要となるでしょう。

集客を目的としないコンテンツでサイト訪問者を増やす

実際に特定の悩みを持っているユーザーを自身のサイトに呼び込むためには、上に挙げたようなキーワード設定などの工夫が重要となりますが、「そもそもサイトへの訪問者を増やしたい」というときには、直接的に集客を目的としない、ユーザーに喜ばれるコンテンツを充実させていく必要があります。

コンテンツを充実させる常道として、ブログ記事で実際の場面に役立つ知識を紹介する、という方法があります。サイトの更新頻度は検索時の表示順位に関わる大きな要素ですから、これを実践している方も多いでしょう。

それ以上に、FPならではのコンテンツとして、「家計管理のエクセルシート」や、「老後資金シミュレーション」「ローン返済シミュレーション」など、ユーザーが自身で手軽に使えるツールを公開することができれば、サイト訪問者は大幅に増加するはずです。

Google検索時のサジェストも参考にしながら、「お金の悩みを持っている人がどんなコンテンツを求めているか」ということを考えてみましょう。

場合によってはプロへの依頼も有効

「コンテンツは充実させたいけど、自分じゃ難しい」という場合には、プロにコンテンツの制作を依頼することも有効です。

このようなコンテンツは一見集客とは関係がなさそうに思えるため、「効果の薄いコンテンツのためにわざわざ高いお金を払うなんて」と躊躇する方も多いでしょう。しかしこのようなコンテンツの充実は、大局的に見れば大きな集客効果につながるものなのです。

まずは単純に、アクセス数の増加により検索時の表示順位が上がります。検索時の表示順位は、さらなるアクセスを呼び込む、という数字上の問題だけではなく、「こんなに上に表示されるのだからちゃんとしたところなのだろう」というユーザーの「信頼感」にも関わるものです。

さらに「充実したコンテンツを用意している」ことそのものが、「こんなツールをタダで公開できるんだから、しっかりした事業にちがいない」という信頼感につながります。

FPという職業について、「実際にどういうことをしてくれるのか」という具体的なサービス内容を理解している人は少ないでしょう。だからこそ、「信頼感」はユーザーが依頼先を決定するうえで重要な要素となるのです。

まとめ

FPのサービスの特性上、集客効果を高めるためには「ターゲットを絞る」ことがまず大前提となる、ということをご紹介しました。

ホームページを制作するうえで、「ユーザーにとってわかりやすい導線」「ユーザーが喜ぶコンテンツ」が重要であることも解説しましたが、結局のところ大切なのは、具体的な「その人」が、「どういう情報を必要としているか」をしっかりイメージすることです。

「ホームページで集客」というと、なんだか機械的でドライなイメージがありますが、実際にサイトを利用するのは一人ひとりの人間です。制作側の「実際に悩んでいる人がこのサイトを見るのだ」という意識が、具体的な対象に訴えかけ、結果として数字の面での効果にもつながっていくのです。