ホームページの管理・保守はなぜ業者に依頼しちゃだめなのか?

突然ですが、皆さまのホームページの管理・保守は、どなたがされていますか?

おそらくですが、制作会社に依頼されている方がほとんどではないでしょうか。
現在、ホームページ制作を請け負っている会社では、「保守管理費用」としてお客様に毎月一定の金額を請求しているのが一般的だと思います。

管理や保守に限らず、あらゆる場面で専門的な知識が役立つことは当たり前です。
しかし、そういった高等技術を必要とせず、普通に運用していくだけであれば、果たして本当にその金額を支払ってまで依頼する必要があるのでしょうか。

ホームページ制作でトラブルになるケースは、案外この「保守管理」の部分についてであることが多いです。
周りの意見に流されず、しっかり自身で判断できるように、今回は保守管理について詳しく見ていきましょう。

管理・保守を依頼するデメリット

ホームページの保守管理費用に含まれるサービスは、その管理会社によって実に様々です。
主な内訳としては、
・サーバー、ドメインの利用や更新に関する料金
・ホームページの修正や更新に関する料金
の2つに分けられます。

その他、珍しいパターンではありますが、Web集客やホームページ運用に関するコンサルティングのサービスが、この保守管理費用に含まれている場合があります。

コンサルティングなどはその会社の実力にもよりますが、実績などのある会社であれば、かなり心強いサービスだと思います。

今回はトラブルになる可能性が高い、まさに管理・保守といったサービス内容に絞って解説していきます。

対応に時間がかかる

地味~にイヤなのが、お願いしたことに関する対応に時間がかかるところです。

例えば、ホームページのテキストをちょっとだけ修正したい場合などでも、会社は他の仕事も抱えているわけですから、すぐに対応が終わるという事はめったにありません。
その修正したい内容が、店舗の電話番号が変更になったなどであれば、お客様にも迷惑がかかることになってしまい、せっかくのホームページなのに信用性が欠けてしまいます。

他には、自身のサーバーやドメインに関する契約内容などを、確認したくなったときも時間がかかるケースが多いです。
電話で質問を受け付けてくれる会社ならまだ良いですが、費用を抑えるために選んだという会社では、メールでしか対応しておらず余計に時間がかかるパターンもよく耳にします。
加えて、契約内容の確認と伝えると解約するのかと怪しまれてしまい、会社から解約阻止に関する説明が入るなどで余計な手間がかかってしまう場合もあります。

このような問題を回避するために、ホームページの内容に頻繁に変更が入る方などは、そもそも自身で更新可能なホームページを作成したほうが良いでしょう。

また、契約内容の確認についてもサーバーやドメインを自身で契約していれば、たいていの場合がネットの「マイページ」などから、いつでも確認できるので時間がかかることによるストレスは軽減するでしょう。

保守管理費用で結局高くつく

この問題は、契約してしまった後になってから気づく方が、非常に多いのが悩ましい点です。
少し怪しいホームページの制作会社によくあるパターンで、悪く言ってしまうとこれに「騙されてしまう」方が少なくありません。

最近Web集客について調べ物をしていると、やたらとホームページ制作費用の安い会社が、必ず目に付くといっても過言ではないほど増えてきました。

きちんと、集客のことまで考えた上で作成してくれる会社であれば、100万円程度かかるのは当たり前です。
本当に力を入れている場合は、ホームページだけで300万円以上かけている方もざらにいます。

少しでもWeb集客をしたいと考えているのであれば、20~30万円程度で何度も作り直しが必要になるより、一回で一生物のホームページを確実に手に入れたいと思うのではないでしょうか。

例え制作費用が30万円でも毎月の保守管理費用が5万円だったとしたら、制作費用が100万円で保守管理を自分で行う場合、たったの一年ちょっとで立場が逆転します。
その逆転のときに、それまで大事に育てたホームページが、30万円の出来栄えと100万円の出来栄えであれば、おそらくほとんどの場合が後者のほうが良かったと後悔することになるでしょう。

今は制作費用が数万円~というところも数多くあるようですが、今一度本当にそこが信頼できる会社なのか確認してみて下さい。

サーバーやドメインを引越しするときのリスク

ホームページを制作したけれど「出来栄えや対応に納得がいかなかった」「古くなったので作り直したい」などなどの理由で、制作してもらった会社とは別の会社に制作や管理を依頼することは良くあることだと思います。
そんなときに発覚することが多いのが、サーバーやドメインの引越しに関する問題です。

保守管理費用の内訳として、サーバーやドメインの管理が入っている認識をお持ちの方はそれなりにいらっしゃるようですが、そのほとんどが「名義」が誰であるのかを気にされていないように感じます。

そのためご存じない方も多いようですが、サーバーやドメインの管理がサービスに含まれていれば、そのほとんどは「会社の名義」となっています。
その場合、あくまでも会社の名義である土地(サーバー)や住所(ドメイン)を「借りて」、家(ホームページ)を建てさせてもらっているだけになるので、ホームページを使い続ける限り保守管理費用という名の賃貸料金を支払うことになるのです。

そして最も注意が必要なのが「引越し」、つまり制作会社や管理会社を変更したいときです。
なぜなら、名義が会社である限り引越しをするのにも管理会社の許可が必要になるため、解約料金を取られてしまったり、最悪の場合は引越しの許可がでないケースがあるからです。

そうなってしまえば、選択肢として残るのは「費用が高くついてしまうのを諦める」か「ホームページの制作を諦める」か「今までのホームページを諦める」かになってしまい、いずれにせよあまりいい気分にはならないでしょう。

そうならないためにも、サーバーやドメインの名義は自分であった方が良いといえるでしょう。
これを読んでくださっている方の中で、少しでも心当たりがあれば、個人的には読むのを中断してでも確認していただきたいと思います。

管理会社が倒産したときのリスク

自分の大事なものの管理を預ける以上、その預けた先がどうなったとしても自己責任であることは、ホームページにしてみても変わりません。
つまり、管理や保守を依頼する以上は、その管理会社の倒産の可能性まで頭に入れておく必要があるという事です。

前項で、サーバーやドメインの「名義」が自分ではないことの引越しのリスクについて触れましたが、倒産した場合においても名義は非常に重要です。

仮に管理会社が倒産してしまったら、またホームページを公開するために新しいサーバーや管理会社を探して引っ越ししますよね。
しかし、やはり会社が名義だった場合は、引越しのための許可はいったい誰が出してくれるのでしょうか。

倒産した会社にそのような対応を求めることは難しいケースもありますし、最悪の場合は勝手にサーバーやドメインの解約をされることもあります。
その結果、せっかく費用と労力をかけて作ったホームページが使えなくなってしまうのは、相当に悔やまれることでしょう。
それが倒産という、自身にはどうにもできない理由であればなおさらです。

やはり、このようなケースのトラブルの大元をたどっていくと、サーバーやドメインの名義が会社であることが一番の問題点です。
名義が会社である限り、管理や更新だけでなく解約でさえ会社の思うままですので、やはり自身の名義で作成し、管理を通して必要最低限の知識をつけることが自己防衛には必要でしょう。

乗っ取りも全くありえないわけではない

最後のケースはめったに起こることはないですが、「起こりうること」であることに変わりはありませんので、このような危険性についても覚えておいたほうが良いでしょう。

サーバーやドメインの名義が会社であれば、解約もできてしまうというお話でしたが、そのほかにもその会社の好きなように運営できてしまうというリスクもあります。
いわゆる「乗っ取り」というものです。

一般の企業が、一般の企業のホームページを乗っ取るほどの理由はほとんどありませんので、そうそうありえることではありません。
しかし、過去には有名な掲示板が、所有者が誰であるかをきっかけに大きなトラブルに発展し、裁判沙汰にまでなったようです。
そのほかにも有名アニメの公式サイトが乗っ取られたことも、世間では話題になっていました。

ホームページなどのWebサイトにはきちんとした「価値」と「評価」があります。
その価値によっては、もちろんサイト自体の売買をすることも可能になっています。

どうしてもWeb上のサイトという無形のものなので、その価値について疎かにしがちではあります。
しかし、ぜひ今一度ご自身の中でのホームページの重要性について思い出していただき、その所有者や管理者は誰であるべきなのかを考えてみましょう。

悪く言えば人質を取られている状態

ここまでは様々なトラブルのケースについて、ご紹介してみましたがサーバーやドメインの管理を誰かに任せてしまうことのリスクは、なんとなく感じていただけたでしょうか。

かなり悪い言い方になってしまいますが、本当に本当に悪質な会社であれば、ホームページは「人質」同然なのです。
大事なホームページを人質にとられ、高い金額を支払い続けなくてはいけなかったり、ホームページを手放すことにもなり得るため、ぜひ管理や保守はご自身で行って下さい。

そして、困ったことができたときや不具合が起きてしまったときなど、ご自身では対応できなくなったときに専門家の助けを求めましょう。

反対に、そこで助けてくれるような企業であれば、ご自身の中でその後も関係を続けていくべき信頼できる会社となっていくでしょう。

管理・保守は具体的に何をすれば良いのか

管理や保守を業者に依頼するリスクやデメリットについて解説してみましたが、ここからは「自分でやろう!」と思っていただけた方のために、やるべきことについても解説していきます。

とはいえ、やることは本当に簡単です。

ホームページ内のテキストや画像の修正に関しては、そのホームページを構成しているシステムによって方法が変わってきます。
しかし、たいていの場合はCMSという「専門知識なしで運営できるシステム」を使っていると思いますので、そこは制作してもらった会社に確認してみると良いでしょう。

保守管理費用に上記のような修正のサービスが入っていることはありますが、ここから先はホームページを使い続けるための、管理や保守の方法をお話します。

サーバーやドメインの利用料を支払う

一つ目にやるべきことは、利用料の支払いです。

「なんだよ、そんなことか」と、わざわざ言われなくたって分かっている内容ですね。
ただ、正直やるべきことって言ってもかなり少ないので、これを書かないとこれ以上管理や保守についての説明のネタがないのです。

サーバーやドメインの管理を業者に任せている場合、その任せている業者に料金を支払っていると思います。
そのメリットを無理に上げるとしたら、「支払先が一つにまとまって分かりやすい」というぐらいです。

ご自身で管理や保守を行う場合は、当然ご自身の名義で契約されることになると思いますので、ご自身で直接サーバーやドメインの利用料を支払う必要が生じます。
デメリットを挙げるとしたら、「支払う先が複数ある」というぐらいです。

複数といっても、サーバーとドメインはたいてい同じ会社で取得できますし、仮にばらばらの会社で取得したって2つです。
そこにホームページの制作代金の支払いが入ったとしても、多くても3つにしかならないので、面倒くさがらず自分でやることにしましょう。

ちなみに、サーバーやドメインの料金は基本、1年間の契約になりますので、たいてい支払いは年に一回で大体一万円前後です。
それを分割支払いで月千円程度にすることも可能なところがほとんどですが、どのような支払い方法でも契約の更新を忘れないようにだけ注意しましょう。

ホームページ構築システムの更新

何かちょっと難しげに説明してしまいましたが、これも難しい作業は何一つないです。

まず、ホームページ構築システムとは何かについてですが、〈管理・保守は具体的に何をすれば良いのか〉の冒頭でお話した、CMSという「専門知識なしで運営できるシステム」のことです。

今はほとんどのWebサイトが、このCMSというシステムを使って制作されています。
ですので、管理や保守をする際はCMSの更新をしていく必要があります。
この更新の内容は不具合の修正やサービス内容の改善などですので、忘れずに行ったほうが良いでしょう。

やることは非常に簡単です。
もちろんお使いのCMSによっても変わってくるとは思いますが、そのほとんどが
・更新のお知らせが来る
・更新ボタンを押す
くらいで完了します。

これに付け加えて、
・お知らせの内容を読む
・分からないことはサポートセンターに聞く
ができればもう完璧です。

管理や保守でやることって本当に少ない

すみません。
もう本当にネタ切れです。

いかがですか?
管理や保守をするといっても、やるべきことって実はこんなに少ないのです。

これだけ少ないと、世の中の保守管理費用を請求しているWeb制作会社は、いったい何に費用がかかっているのか不思議でなりません。

もちろん、絶対に覚えておいていただきたいのは、「ものすごくきちんとした信頼できる会社もある」という事です。
コンサルティングやサイト運営のアドバイスなど、集客まで考えて顧客のために動いてくれるような会社もちゃんと存在します。

ただそのような会社が埋もれてしまうほどに、悪質な業者が目に付くようになってしまいました。

「実のあるサービスを正当価格で」買えるように、消費者が騙されないための最低限の知識をつけ自己防衛することがとても大切です。

まとめ

今回は、ホームページの管理と保守についてまとめてみました。

このように実態をみていくと、本当にネットに書いてあることってすぐに信用してはいけないんだなぁと感じます。

もちろんこのような記事を書いておいてなんですが、この記事もネット上の情報ですので、全てを鵜呑みにするのはオススメできません。

しかし、私は自分の経験や調べたり聞いたりした情報から、このように自分の中で納得して発信しています。

今回は管理や保守についてのお話でしたが、どのようなサービス、業種、情報であっても、必ずきちんと自分が納得するまで勉強するのが良いと思います。

この記事をきっかけに少しでも多くの方に、管理や保守に関する正しい実態や、それに限らずどんなことでも知識があることの重要性について伝われば幸いです。