あなたが今いる会社へ入社の応募をするとき、リクルートサイトって存在してましたか?
マイナビとかリクナビとか色々ありますが、ああいった求人ポータルサイトではなく、自社で運用している採用特化型WEBサイトのことです。TOPページにキャッチコピーが大きく掲載され、社員インタビューとか募集要項とかが載っているサイトです。
そんな自社の採用サイトを作ったはいいものの、「せっかくリクルートサイトを作ったのに全然応募者数が増えない!」「あまり良い人が来ない!」といった採用担当者の悩みも少なからず聞こえてきます。自社の採用サイトの効果を高めるためには、具体的に何をすればいいのでしょうか?
今回は、応募者数増加のためにすべきことと、それに一役買う効果的なサイト内コンテンツについて考えてみましょう。
採用サイトの応募者数を増やすためにすべきこと
せっかく自社で採用サイトを作ったのに、あまり効果があったとは思えない。そんなときに、どういった部分に目を向けて、改善していけばよいのかを見ていきましょう。
採用コンセプトを定める
リクルートサイトの実制作そのものより一段階前の話になりますが、コレをなあなあにしてしまうのは言語道断。どんな想いのもとでどんな人材を募集するのか、採用自体の方向性=採用コンセプトを事前にきっちり固めておきましょう。
まずは新卒採用なのか、中途採用なのか。これだけでも大きな違いが生まれますね。すぐにでもリーダーになってバリバリ活躍してくれる即戦力の募集、他社で活躍できずにくすぶっている秘めた才能の発掘、未経験者をゼロからこつこつ教育していく原石探し、などなど…
リクルートサイト内に載せる要素、およびキャッチコピーやデザインのトンマナを定めるため…というのはもちろんのこと、いわゆる雇用のミスマッチを防ぐことにも繋がります。このあたりがフワフワしていると、ここから先に地獄が多々生まれかねないので、社のえらい人も巻き込んでしっかり慎重に。
なお、これがたとえば新卒一斉採用のためのリクルートサイトである場合は、他社との競合も視野に入れないといけません。なぜだか年々変わっていく、あの魔の「就活解禁日」の0:00に同業他社が一斉にリクルートサイトを公開する…と思えば、言わんとしていることが伝わるでしょうか。同業他社との差別化をねらうためにも、その企業ならではの個性が光る採用コンセプトを打ち出していく必要がありますね。
サイトマップを正しくつくる
良質なコンテンツ作りは、良い地図作りから。リクルートサイトだけに限った話ではありませんが、サイトマップを作成し、掲載要素とその構成をしっかりと整えないことにはなにも始まりません。採用コンセプトが固まったらこの作業に取り掛かりましょう。
簡易的なペライチサイトではなく本気で作り込むとなると、必要要素の構成はだいたいこんな感じでしょうか。TOPページ含め全5ページを基本とし、そこから応募職種数などに準じて下層を増やしていくイメージです。
- TOP(メインコピー / 採用コンセプト / グラフィック / 各下層ページの概要)
- 会社について(会社概要 / 企業理念 / 事業内容 / 実績紹介 / 代表挨拶など)
- 働き方について(仕事内容 / 研修制度 / 福利厚生 / 一日の流れなど)
- 社員について(メッセージ / インタビュー / Q&A / 座談会など)
- 採用について(募集要項 / 選考プロセス / キャリアパス / 応募フォームは別サイトの場合あり)
そもそもこの整理がよくわからんことになっていると、できあがるサイトもそれ相応のクオリティに留まってしまいます。ひいては応募者の数や、もしかすると質にも影響が出てしまうということ。社内随一の制作チームや、予算をガッツリはたいて外注した選りすぐりのデザイナー・コーダーがいたとしてもです。せっかくの腕を無駄にしないためにも…という観点でも、設計図作りをないがしろにせず真剣に取り組んだうえで、関係者全員でしっかり共通認識を持ちましょう。
応募者数増加のために効果的なコンテンツ
採用サイトからの応募数を増やすために、どのようなコンテンツを用意すると良いのでしょうか。具体的に必要となるコンテンツの内容について見ていきましょう。
実績紹介コンテンツ
ここに応募しようという意気込みを誘うためには、まずは「俺もそれやりたい!」と思わせることが重要です。
どんな業種であっても、企業というのはなにかしらのモノやサービスを生み出すために存在しています。何をするための新たな仲間が欲しいのか。この会社に入ると、何を世に送り出す人間として働くことになるのか。それを伝えるためにも実績紹介コンテンツは全力で凝るべきですね。単なる紹介に留まらず、制作秘話、詳しい工程説明、担当社員のメッセージなどが添えられているとより効果的でしょう。
自分事化コンテンツ
求人に応募するかどうかの最終的な決め手って、「その仕事をすることになったときの自分」をうまく想像できるかどうかにあるのでは?と思っています。
ワークライフバランス的な話にも関係しそうですが、だいたいの会社員は、どんなに少なくとも日々の半分以上の時間やエネルギーを仕事に費やすことになります。そう思うと、ここで働くとどんな日々を過ごすことになるのか、出勤から退勤までどんなふうに動くのか、という自分事化のためのコンテンツはぜひほしいところ。
わかりやすいものでいうと「一日の流れ」ですね。たとえば同業他社への転職だとしても、ところ変われば驚くほどやり方や過ごし方が変わるものですし、応募者が学生である新卒採用の場合は、なおのことしっかりと働き方のイメージが湧くように気を配る必要があります。
社員の顔が見えるコンテンツ
「こんなものを作るのか~」「こんなふうに働くのか~」などの情報が揃ったら、あとは「こんな人と働くのか~」ですね。実際に働いている社員の紹介、および社員によるメッセージ的コンテンツは欠かせないもののひとつです。
ここで重要なのは、ほどほどに社歴の浅い人こそプッシュすべきという点。ときには社長だの取締役だののお偉方よりもです。たとえば昨年度の新卒採用で入社したぴちぴちの新人の群れだったり、中途入社以来活躍しまくっている中堅社員だったり…「この会社に入ってよかった」感のみなぎるフレッシュな社員を押し出すことで、我も我もとセカンドペンギンを誘うことができるのではないでしょうか。
おわりに
上記のようなことに気を配ればおのずと応募者数は増加していくことと思いますが、実際のところリクルートサイト制作における最終的なコンバージョンは「応募者の質」を上げること。応募者数を増やすというのは、あくまでそのための前準備でしかありません。ここをはき違えないことも大事ですね。
応募者の心理を正しく理解するためには、社内でのヒアリングを行うことも効果的です。骨を埋めんばかりのベテラン社員を揃えるのではなく、入社したての新人を制作チームにアサインしてみるといいかもしれません。
社のゆたかな発展のためにも、リクルートサイト制作のやり方を今一度見直していきましょう。