婚活をWebサイトやアプリを使って行う人が多くなり、知名度の高いサービスにユーザーが集中する傾向が強まっています。中小規模の結婚相談所が競争力を維持するためには、これまで以上に集客に工夫が必要だといえます。
婚活はいつの時代にも大きなニーズのある分野なので、ノウハウを押さえれば規模に関係なく成功を収めることも可能です。
この記事では、中小規模の結婚相談所に求められる集客ノウハウを解説します。
大手にはない強みを明確に打ち出す
とにかく、まず意識しなくてはならないのは、中小の結婚相談所だからこそのメリットを、お客様に分かりやすくアピールすることです。
それがなければ、顧客心理として大手に流れていってしまうことになります。
知名度で勝負しない
重要なのは、大手サービスと同じポイントで勝負を仕掛けないことです。
たとえば、大手サービスの多くは「会員がたくさんいて理想の相手と出会える可能性が高い」点を訴求しているケースが少なくありません。また、婚活パーティーやセミナーなどを頻繁に開催し、男女の出会いのチャンスを作り出しています。
しかし、中小規模の結婚相談所が似たような戦略を立てても実現は難しいでしょう。それだけの予算はありませんし、知名度もないので集客にかかる労力も大きくなってしまうからです。
中小の強みはフットワークの軽さ
そのかわり、大手サービスにはない強みをはっきりと示せば、ユーザーを惹きつけることができます。
例えば、一部の地域に特化したきめ細かな婚活サポートなどは、全国区の結婚相談所では実践しにくいサービスです。また、規模が小さいからこそ、独自のアイデアを思いついてから形にするまでのフットワークを軽くできます。
独自の長所を自覚し、わかりやすくユーザーに訴えかけましょう。
インターネットを活用した集客は必須
規模に関わらず、集客の場としてインターネットは欠かせません。SNSやWeb広告から結婚相談所を知り、情報を調べてくれるネットユーザーは多いからです。また、婚活を考え始めた人々の大半は、最初にインターネットを通して方法を学ぼうとします。
その際、自社のサービスがインターネット上に登場してこないと、集客できたはずのターゲット層まで逃してしまうのです。
コスト削減につながる
それに、インターネットの宣伝は特別な費用をかけずに宣伝ができます。例外的に、ホームページの開設を外注したり、パソコンやネット環境を一から揃えたりするなら費用が発生するものの、設備が整ってしまえば自由にWeb上でマーケティングを行えます。
大手サービスの知名度や宣伝力に対抗する手段として、インターネットで魅力的な情報をアップしていくことは必須です。
サービス説明のためのホームページの作成
中小の結婚相談所が初期に行いたいWeb展開が、ホームページの作成です。ホームページとはサービスの看板でありパンフレットです。
初めてサービス名を知り、興味を抱いたネットユーザーはホームページにアクセスしようとします。彼らは、そのサービスについての詳しい情報を求めているのです。詳細なサービス内容がわかりやすく掲載されたホームページがあると、集客力を高めることができます。
掲載内容や仕様をどうするか
ホームページを作る際のコツは、料金や登録方法など、入会前の顧客にとっての不安要素をすべて潰してあげることです。
Q&Aコーナーを設けて、よくある疑問をこちら側から提示し、解消していくのもひとつの方法です。そして、利益につなげられるサイト構成を意識しましょう。自分のサービスで婚活をするメリットをきちんと示したうえで入会や資料請求に誘導できる流れを作っておくことが大事です。
自社ホームページ内でブログを更新
ホームページ内のブログには、2つの意味があります。まず、「世間からの信用を得る狙い」です。
ブログの内容は、マーケティングにつながるものでなくても構いません。自社サービスに直接の関係がなくても、結婚やパートナー探しに役立つ情報を載せるようにします。
多くの有益な記事を掲載することで、会員からは「このサービスは十分なノウハウがある」と安心してもらえたり、入会前のネットユーザーから注目される可能性が高まったりすることなどが期待できます。
次に、「情報のリアルタイム性を保つ」ということです。ブログではSNSよりも具体的で、豊富な情報量を掲載できます。
自社開催の婚活パーティーの様子などを写真付きで紹介するなどすれば、ネットユーザーにサービスの具体的なイメージを抱いてもらえます。そのほか、トレンド入りしているキーワードを中心に記事を作成するなどして、SEO対策でも効果を期待することができるのです。
個人の人脈活かす
中小規模の結婚相談所では、経営者の人脈も活用しましょう。知人、友人、かつての仕事仲間などに話をして、婚活をしている人がいないか紹介してもらいます。
これが大手サービスであれば、とても個人の人脈で対応できるほどの会員数ではないので、大きな効果は期待できません。しかし、中小規模なら、そもそもの会員数が少ないので、「知り合いの知り合い」などを頼ればスムーズな集客につなげられる可能性も出てきます。
ただ、個人の人脈を利用する際には、紹介を依頼する相手を選ぶようにしましょう。
信用できる相手から会員になってくれそうな人を紹介してもらわないと、素行や経歴に問題のある人物と引き合わされる恐れもゼロではありません。また、個人の人脈にも限界があるので、通常の集客にも手を抜かないことが肝心です。
成婚者から紹介してもらう
結婚相談所を利用して成婚にいたったカップルにも、マーケティングに協力してもらいましょう。成婚者はサービスの恩恵を実際に受けているので、深い信頼関係で結ばれているといえます。自分のことで必死なリアルタイムの会員に知人を紹介してほしいとお願いするより、可能性は高いはずです。
成婚者が出るたびに知人を紹介してもらえるようなサイクルができあがれば、結婚相談所の経営は安定していきます。
ただ、無償で知人を紹介してくれるケースは稀なので、それなりの見返りを用意するようにしましょう。
料金の何割かをキャッシュバックしたり、結婚式の費用を一部負担したりするなどの特典が必要です。また、紹介されて会員になった人にも入会金を無料にするなどの待遇があると、より宣伝してもらいやすくなります。
地方ではまだ有効!フリーペーパー、折り込みチラシ
都市部では広告の主体はWebに移行しており、紙媒体の効力は弱まっています。しかし、地方に籍を置く結婚相談所にとっては、フリーペーパーやチラシの集客力を無視できません。
地方に留まって生活している高齢者は、無料でもらえるフリーペーパーや新聞の折り込みチラシを重要な情報源にしている場合も多いのです。
彼ら、彼女らが紙媒体を目にすることで、その子どもや親せきに紹介してもらえる可能性が出てくるのです。時代遅れと決めつけず、定期的に紙媒体の広告も作ってみましょう。
地域によっては費用対効果の高いWeb広告
都市部に近い地域にある結婚相談所ほど、バナーやリスティングなどのWeb広告の反響が強まっていきます。それは、Web広告のほうが即効性の高いマーケティング手法なので、情報の多い地域に向いているからです。また、都市部にはライバルの相談所も多いので、常に新しい情報を展開しなければ競争の中で埋もれてしまいます。
ネットユーザーも「相談所 安い」といった範囲の広いキーワードでネット検索をする傾向があるので、少しでも目立つ宣伝活動をすることが重要です。こうした地域でWeb広告を出せば、高い費用対効果が期待できるでしょう。
婚活セミナーを開催して見込み客を集める
婚活に興味がある不特定多数の人に宣伝をすることもおろそかにはできませんが、見込み客を絞り込むことはもっと重要です。婚活セミナーなどは、頻繁に開催するのは難しいかもしれませんが、イベントによって自社サービスに興味を示している人を集客する手段としては非常に有効な手段となります。
婚活セミナーを開催すると本気で結婚を考えている受講者がやって来ます。彼ら、彼女らは婚活へのモチベーションが高く、普通の人よりは自社サービスを信用してくれてもいます。セミナー後もメルマガによる案内を続けるなどすれば、会員増加につなげることも可能です。
中小規模の結婚相談所に適したマーケティング戦略を立てる
大手結婚相談所は、中小よりも集客力において有利なのは事実です。しかし、地域性を意識しながら予算の範囲内でできることを確実に実践していけば、中小の相談所でも十分に生き残っていけます。
むしろ、個人の人脈を生かせるなどの点では大手を上回っている面もあるでしょう。それに、インターネットでの情報発信では相談所の規模に関係なく、見やすく魅力的な内容がユーザーに選ばれます。中小は自社の強みをはっきりさせたうえで、マーケティング戦略を立てましょう。