コーポレートサイトの役割と制作するうえで重要なポイントとは?

ビジネスマンのみなさん。自分が働いている会社のコーポレートサイト、しっかり見たことありますか?

履歴書を書くときや面接の準備をするときに一応読み込んだ覚えがあるけど、そういえば晴れて入社してからはとんと…という人、多いんじゃないでしょうか。(ちなみにそれ、コーポレートサイトではなくていわゆるリクルートサイトである可能性もあります)

きょうび、どんな小さな企業や無名の企業でも、たいていの場合検索すればコーポレートサイトが見つかることでしょう。ただ、それらすべてがコーポレートサイトとしての役割を正しく果たしているかというと決してそんなことはなく。ものすごく有名な老舗の大企業のサイトでも、往々にしてうまいこといってないケースが見られます。

コーポレートサイトというのは、どんな役割を担ったものなのか。そもそもなぜ作るのか。制作するにあたって何を重要視しなくてはいけないのか。今回はそのあたりのことをお話ししようと思います。

コーポレートサイトの役割・作る意味

コーポレートサイトとは、言うなれば「弊社はこんな人たちのためにこんなことをしている会社です」というのを公式に表明する場。自社の事業内容やこれまでの歩み、企業としてのビジョンを世間に向けて発信するために存在するWEBサイトです。

その最大の役割は存在証明。新規の取引先や、久々に再会した知り合いからもらった名刺に載っている社名をググってみたとき、公式のコーポレートサイトが微塵も存在していなかったら「絶対やべえ会社じゃん」と秒で思ってしまうのは私の性格のせいなのかもしれないのですが、そういうことです。

テレビCMをゴールデンタイムにバンバン流せるような超大企業であったとしても、会社の詳しい情報というのは、能動的に調べて見つけ出してもらって初めて人の目に触れるものです。なにやら特殊な信条がない限り、名刺を持たない会社員はいませんよね。顧客を増やしたいのに看板を出さない会社や店舗もそうそうないでしょう。

各種ページを過不足なく設けて適切に情報を載せ、自社がどのような企業であるかを公に発信することでようやく「この会社はこういうことをしているんだな」というのが世に伝わり、そこから企業のイメージアップや新規のビジネスチャンス獲得といった成果につながるのです。

コーポレートサイト制作時に重要な3つのポイント

コーポレートサイトを作成するうえで大切となる3つのポイントを見ていきましょう。

必要なコンテンツの選定

コーポレート制作に限らずWEBサイト制作全般に言えることですが、必ず載せたほうがいいコンテンツ、というのを正しく把握・整理するところから始まります。

まず基本は会社概要・事業内容・実績紹介・アクセス情報・お問い合わせフォームでしょうか。どんな会社で、何ができて、これまで何をしてきて、どこにあって、窓口はここで…というのが不足なく伝われば、コーポレートサイトとしての最低限の役割は果たすことができます。基礎を抑えたうえで、ほかに載せていきたい要素を挙げていきましょう。

沿革・スタッフ紹介・お客様の声・よくある質問・お知らせ・社員ブログ、また上場企業であれば投資家に向けてのIR情報が欠かせませんね。

この選定と優先順位の整理を行うことで、ようやくコーポレートサイトとしての地盤が固まります。

たとえば施工会社や制作会社であれば、ポートフォリオ的な実績紹介ページに最大の情熱と細心の注意を払うべきですし、士業の事務所などで、顧客が直接なにかを依頼してくることがあり得る企業であれば、ご相談の流れや料金体系をわかりやすくまとめなくてはなりません。

デザインに明確な意味を持たせる

ここのような個人の趣味サイトとは違い、企業の顔として公開する以上、コーポレートサイトは色やフォントの選び方ひとつとっても明確な意味をもとに考える必要があります。

これは単に「デザインをハイクオリティなものにする」という話ではありません。

名だたるWEBデザイナーが手掛けた超かっこいいサイトだとしても、たとえばロゴや店舗で実際に使われているコーポレートカラーからかけ離れた色がベースカラーになっていたら?家庭に愛されるほっこり系食品メーカーなのに、めちゃめちゃクールで男性的なデザインだったら?などなど…ブランドイメージに沿っているかどうか、というのを忘れないようにしましょう。

もちろんクオリティが高いこと自体はイメージアップにおおいにつながりますし、それを自社デザイナーやコーダーが手掛けたのであれば、何よりのアピールになりますよね!

ただ、コーポレートサイト制作における優先順位としては、デザイン性の高さは少なくとも一番ではありません。「今風でおしゃれでクオリティが高くて…というのを目指す場所にしてはいけない」ということです。

また、ページ遷移や文字の入力といった、閲覧者がサイトに対して行うさまざまな動きの仕組み(これをUI(ユーザーインターフェース)といいます)をきちんと整理することも大切ですね。

プラスアルファで何をするか

載せるべきものをしかるべき構造に落とし込むことができ、ひとまず名刺や看板としての機能が不足なく備わったのなら、企業のイメージアップのためにプラスアルファで何ができるかを考えてみるのもいいですね。

看板商品や新商品の誕生秘話みたいなものを、アニメーションつきのイラストや読み応えのある文章(「長い」という意味ではないですよ)とともにまとめてみたり、企業のマスコットキャラクターやイメージタレントを活用したお楽しみページを作ってみたり。企業紹介ムービー、社長や新入社員によるコンテンツ、広告物をまとめたギャラリーなんかもいいかもしれません。

ただ、やはりなんでもかんでも載せればいいわけではないので、こちらも選定や置き場所に十分考慮する必要があります。

おわりに

上記のポイントを踏まえたうえで構成やデザインの方向性をしっかりまとめ、自慢の自社スタッフ、あるいは信頼のおける制作会社に託して制作をスタートさせましょう。そこに至るまでが実はものすごく重要なのです。

ただ、思うに一番大切なのはコーポレートサイトを放置しないこと。デザイン性が高くて情報がしっかりまとまっている一見優秀なコーポレートサイトでも、お知らせ欄の最終更新日が2000年代だったりしたらかなりぞっとしますよね。

最新情報をしかるべきタイミングでアップすることを怠ってしまうと、サイトとしての価値、そしてなにより企業そのものの信頼がどんどん下がっていきます。

たかがWEBサイトと侮らず、自社そのものだと思って手をかけてあげることがより良いコーポレートサイト制作・運営につながるのだと、改めて肝に銘じましょう。