無料で作るホームページ制作のメリット・デメリット

最近では、無料でホームページ制作ができるなんてすごい時代ですね。
無料って何でこんなに魅力的なキーワードなのでしょう。

しかし、どうしても私は「無料」という言葉に、若干の恐怖感があったりもします。
綺麗なバラには棘がある、甘い蜜には毒があるように、「うまい話には裏がある」ものです。

無料で作れるというだけでかなりのメリットだとは思います。

しかし、作る手間もかかりますし、何よりネット上で会社やサービス・商品の顔となる大事なものです。
作って後悔することがないように、きちんとデメリットについても知っておきましょう。

もちろん、メリットもありますので、どちらも知った上で自分に合うものかどうかを判断してみて下さい。

なぜホームページが無料で作れるのか

まず、ものすごい大前提のお話なのですが、そもそもなぜ無料で作ることが可能なのか、皆さまはご存知でしょうか。

ホームページの制作って、集客も考えて作るのであれば100万円くらいするところもたくさんありますよね。
どんなに安くても数十万円はくだらないはずです。

ホームページからの集客が成功すれば、クーポンサイトなどで高い成果報酬を支払うこともなくなります。
本当に上手に活用している人であれば、ある程度自分が欲しいお客さま像で絞ることさえできるのです。

それが専門的な知識も要らずに無料で作れるのなら、誰だって無料で作りたいですよね。

まずは、その仕組みから見ていきましょう。

収入源その1〈広告〉

無料でホームページを作れるサービスを提供している会社の収入源として、有名なのは広告収入です。

最近は減ってきているようですが、無料で作成したホームページに広告を掲載し、そこから収入を得ているケースは未だに多いようです。

ただ、このような広告に関してはユーザーにはデメリットに働くことばかりですので、外すことが可能です。
しかし、その広告を外すためにも費用が発生するため、こちらも収入の一部となります。

また直接的な広告収入とは違いますが、ホームページの随所に「このホームページは○○を使って作られました」「あなたも無料でホームページ作成」などの自社サービス宣伝広告や自社のアイコンやバナーを掲載するケースは非常に多いようです。
このような自社広告は、そこからユーザーを増やし、間接的に収入を増やすことが目的です。

収入源その2〈有料サービス〉

もう一つの大きな収入源は、「有料」のサービスです。

無料でホームページを作成できるといっても、本来何十万円とかかるものを無料で作れるようにしてくれているので、無料内で作成できるのはごくごくシンプルな最低限度のホームページです。

やはり、無料で提供されているものに対して、何十万円かけたものと同じサービスを要求するのには無理がありますよね。

そのため、無料でできる範囲はかなり限られており、そのほとんどが追加料金として有料でサービスを受ける必要があります。

有料サービスにも幅はありますが、たいてい独自ドメインの取得は有料になります。
その他、メールフォームの設置、ページ数や容量の拡張、カスタマーサポートなども有料サービスに含まれることがあります。

無料で作れるホームページのデメリットとは

ホームページを無料で作れる仕組み、収入源についてご説明しましたが、この収入源はデメリットに繋がってきます。

反対に、ホームページを無料で作成できるサービスの最大のメリットは、もちろん「無料」というところにあります。
これは既に皆さまご存知のことと思いますので、このまま先にデメリットについて見ていきましょう。

追加料金がかかる

これは、先ほどの収入源としてご紹介した内容に続いています。

もちろん、無料で提供し続けるためには収入が必要となりますので、有料サービスがあるのは当たり前です。
しかし、利用目的などによっては有料サービスで、金額が大幅に高くなってしまう可能性もあります。

単純に必要なサービスであれば、追加料金を支払うことに抵抗は少ないと思います。
ただ、それであれば、初めから全てを料金内で提供してくれる制作会社を探した方が、自分で行う手間も省けてクオリティも高いものが望めます。

また、特別検討していなかったサービスでも、無料という言葉に気を良くしてしまい、あれやこれやと追加でサービスを購入してしまうことは、誰しも経験があると思います。

結局、自身の希望をよく思い出しながら見ていくと、有料サービスによって高く付いてしまうケースは非常に多いので、「無料」に囚われすぎるのは要注意といえます。

サポートが不十分

ホームページを無料で作成していく中で、それなりに大きな壁になってくるところが、カスタマーサポートについてです。

無料で提供している以上仕方がないことではありますが、電話やメールでの問い合わせに対応していないケースが良く見られます。
対応していても、有料サービスとして提供しているところも多いようです。

そのため、不明点や不具合などは自分で対応するほかなく、解決のために調べ物をしたり勉強する時間を考えると、費用がかからないというメリット以上の手間が発生してしまう可能性も否定できません。

それに加え、このようなサービスは海外発であることも多く、日本語対応していないケースも見られます。

また、制作会社などに依頼した場合、集客に関する運営についてのアドバイスをもらうことができたりしますが、当然このようなサービスも無料の場合は含まれてはいません。

ただとりあえずホームページを公開したい、という事でなく、集客のことまで考えているのであれば、不明点が解決しないとか運営方法が分からないといった内容でつまずいてしまうのはもったいないといえます。

広告が表示される

ホームページを無料で作成できるようにするための収入源として、広告表示についてもお話しましたが、当然これは利用者にとってはデメリットになります。

広告が表示されるサービスを使ってホームページを作成した場合、もちろん広告の内容などを選ぶことはできません。

そのため、ホームページの内容とは全く関係のない広告が掲載されたり、同業他社の広告が載ってしまう場合もあります。

そうなると、ホームページの訪問者にいい印象を与えることはできませんし、広告から同業他者に顧客を送り込む手伝いをしている可能性すらあるわけです。

また、「このホームページは○○を使って作られました」「あなたも無料でホームページ作成」のようなサービス宣伝広告やその会社のアイコンやバナーも、ホームページの訪問者にいい印象を与えることはできません。

ホームページの訪問者は、ホームページに載っているであろう、サービスや商品の情報を求めてきているはずです。
つまり、少なからずサービスや商品の利用を検討している、お客さまである可能性があるという事です。

そのような「費用をかけて利用を検討しているお客さま」に対して、そのお客さまを迎えるホームページが無料で作られていると知ったら、「お客を軽く見ている」「そんなに力を入れていないのかも」などという、余計な印象を与えてしまうことがあるようです。

テンプレートで作成

無料のホームページはほとんどがテンプレートでの作成になります。
しかし、これをデメリットとして説明する前に、一つ覚えておいていただきたいことがあります。

それは、本来テンプレートにはメリットがたくさんあるという事です。

テンプレートと聞くとそれだけでオリジナリティがないと断定し、あまり好まれない方もいらっしゃるようですが、プロが手がけるテンプレートの活用事例は本当にすばらしいものです。

もちろん、無料で作成できるホームページのテンプレートにも、無料とは思えないほど綺麗なテンプレートがたくさんあります。

では、テンプレートの何がデメリットなのかというと、それを利用するのが初心者だという点です。

先ほどもお伝えしたとおり、プロの手にかかればテンプレート作成でも、同じテンプレートを使用しているとは思えない出来上がりになることがほとんどです。
その上、フルスクラッチと呼ばれるつくり方よりも、はるかに費用と制作期間を抑えることができるのです。

しかし、無料のホームページ作成の場合は、そのテンプレートを編集するのは基本初心者だと思います。
そうなってくると、やはり同じテンプレートを使用した他社との差別化を図ることが、相当に難しくなってきます。

また、無料サービスではテンプレート自体も非常に簡素な場合が多いです。
加えて、カラー変更のバリエーションが少ないことや、写真は自分で用意する必要があることを考えると、やはり「無料での」テンプレート作成はデメリットといえるでしょう。

集客に効果的ではない

前述した「広告が表示される」と「テンプレートで作成」の内容に通じるところがありますが、無料で作成したホームページは集客効果が薄いといわれています。

それはやはり、広告が表示されることでユーザーにいい印象を与えることができない点や、初心者によるテンプレート作成で他者と差別化が図りにくいことにあります。

無料で作成したホームページは、どうしても自作っぽさがでてしまい、それだけでユーザーの購買意欲を下げることに繋がります。

スマートフォンが普及しきった今の時代では、サービスの利用や商品の購入をする前に、インターネットで「下調べ」をすることが当たり前になってきています。

過去には、実際の顧客の約80%以上がこの「下調べ」段階で、利用や購入を決定しているというデータもありました。

これだけ下調べで得る情報が重要になってきていると、そこで差別化することができないことや、ユーザーの興味を引くことができない出来栄えなどは、Web集客において致命傷になる可能性が高いです。

サービスが突然終了する

これは、どのようなサービスにおいてもいえることではありますが、その中でもホームページを無料で作成できるサービスは、その危険性が高いといえます。

やはり、「無料」である以上、収益を上げることが難しいので、他のサービスに比べてサービス終了が比較的あっけないです。

また、このようなホームページの無料作成サービスは、この記事で既出ではありますが海外発のものも多いです。
そのため、サービスそのものではなく、日本へのサービス提供が終了してしまう可能性もあります。

加えて、サービス終了までは行かずとも、サービス自体の更新などが行われなくなり、めまぐるしく変わっていくWebの世界に、置いてけぼりを食らってしまうことも珍しくはありません。

実際に、無料ホームページ制作サービスが突然終了してしまい、途方に暮れてしまう方はそれなりにいらっしゃるようです。

無料で作る以上、提供側の責任というのも軽くなりがちではありますので、サービス自体の存続性は十二分に考慮したほうが良いでしょう。

無料で作れるホームページのメリットとは

デメリットについて、かなり長めにお話してしまいましたが、ここでようやく無料で作れるホームページのメリットについてご説明します。

それはズバリ「無料」で作れることです。

この記事でももうお伝えしていますが、そんなこと皆さますでにご存知ですよね。
ただ、正直もう、この一点に尽きます。

どれだけデメリットをお話しても、正直「無料」という響きはどうやったって魅力的です。
しかし、せっかくここまでお読みいただいたので、無料で作れるホームページだとどのようなメリットがあるのか、もう少し掘り下げてみて見ましょう。

情報の更新や追加の作業が自分でできる

これは結構大きなメリットといえます。

制作会社に依頼する場合、制作費用のほかに保守管理費用というランニングコストがかかることが一般的です。

私個人の意見ではこの保守管理費用はあまり好みではないです。
そのため、制作会社に依頼する際には保守管理費用が発生しない、自分で管理や更新ができる会社に依頼することが良いと考えています。

無料で制作するホームページの場合は、そもそも全てを自分で行うことが大前提のサービスとなっていますので、ホームページ内の情報の更新や追加が自分でできるようになっています。

悪質なホームページの制作会社では、このような修正の費用でいわゆるぼったくりをしているところもあるそうなので、そのような危険性がないことも自分で行えることのメリットといえます。

制作期間が何よりも速い

これはかなりの緊急性を要するときには、ものすごく役に立ちます。

自分で作成する分、掲載したい写真や内容、出来上がりのイメージがあれば、数十分でホームページの公開までを行うことが可能です。

制作会社に依頼する場合は、最短でも数日かかりますので、めったにないパターンかも知れませんが、急ぎホームページが必要な場合には無料で自分で作成するのが唯一の手段かも知れません。

利益を気にせずに運営できる

会社としてホームページをもつ場合、その費用は経費に含まれると思います。
しかしそうなってくると、やはり費用をかけた以上の成果がないと、運営していくリスクも大きくなります。

また、期間限定でイベントなどを開催する際には、その数日や数時間のイベントのために費用をかけるのは、大きな会社でないと難しくなってきます。
無料であれば、やはり利益を気にせず気軽に開設することができますので、そのようなケースにも対応することができるでしょう。

まとめ

無料で作成できるホームページについて、メリットやデメリットを見てきましたがいかがだったでしょうか。

私が考える、無料ホームページの有効活用の方法は
・期間限定のイベント専用の紹介用ホームページ
・利益が絡まない個人の趣味で使用するためのホームページ
・社会人や大学のサークルで使用するためのホームページ
というあたりではないかなと思います。

無料で作成できる代わりに、Web集客においてはデメリットになる可能性の方が高いので、間違ってもサービスや商品を紹介する、長期的な商業のためのホームページには利用しないことがオススメです。

とはいっても、もちろん人の価値観は様々です。
何よりも大事なのは「デメリットにも目を向ける」ことだと思います。

全て踏まえ納得した上で利用するのであれば、ここで挙げた以上のメリットが見つかると思いますし、上手に活用していくことも可能だと思います。

この記事を読んで、単純に「無料」という言葉だけで利用を決めてしまい、困ってしまう方が少しでも減ってくれればうれしいです。